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アルカリ剤って?
Date: 2018.03.08(Thu) Writer: bando Category: ブログ
今日はエステは少し置いておいて、純粋にアルカリ剤というものについてのお話しです。
カラー剤、パーマ液、縮毛矯正剤。こういった薬剤は酸性~アルカリ性で出来ています。
0~14のPH(ペーハー)という数値で表されます。数字が小さいと酸性で数字が大きいとアルカリ性になります。
健康な髪はPH4.5~5.5(等電点という)ぐらいのPHです。
酸性に傾くほど収斂しアルカリ性に傾くほど膨潤します。
一般的に使われているカラー剤、パーマ液はアルカリ性の薬剤が多く使われています。
薬剤にはアルカリ剤という物が添加されていてそのアルカリ剤が髪の毛をアルカリ性にしています。
このアルカリ剤にはいくつか種類があります。
まず代表的なものは アンモニア・・・揮発性のため髪にアルカリ剤が残りにくいのが特徴。カラー、パーマの施術中に臭いがある。
そしてアミノアルコール類の モノエタノールアミン、トリエタノールアミン・・・不揮発性のため髪にアルカリ剤が残りやすい、アンモニアに比べてニオイが少ないのが特徴。
このアルカリ剤が髪をアルカリ性にするんですが、、、髪の毛がダメージする原因になるものでもあります。
まずは髪の毛の構造↓↓↓
カラー剤、パーマ液などの薬剤はキューティクルの隙間を通りコルテックスに作用してカラーが発色したりパーマがかかったりという仕組みになっています。
健康な髪のコルテックスはキューティクルに守られていて、外からの刺激を受けたりしないように、またコルテックスやマトリックス(間充物質)が外に流出しないようになっています。
ダメージ毛はキューティクルが荒れて穴が開きコルテックスやマトリックスが流出しバサバサでスカスカな状態、、、いかにも手触りや見た目が悪い感じです。
ではなぜアルカリ剤が健康毛をダメージ毛へと変えていくのか。
健康な髪はキューティクルに守られているので薬剤をつけてもコルテックスまでたどり着きません。
そこでアルカリ剤。アルカリ剤を使い髪をアルカリ性にすることで髪が膨張してキューティクルが開きます。
開いたキューティクルの隙間から薬剤が入りコルテックスに薬剤が反応しカラー、パーマが出来るという仕組みです。
この開いたキューティクル。カラーだと乳化という作業の中のアルカリ抜きで、パーマなら2剤の酸化やバッファー剤、、、そしてエステの後処理などによってアルカリになった髪を中和して酸性に戻していきます。
酸性になると収斂が起きキューティクルが閉じていきます。
で・す・が!!!
すべてのキューティクルがきちんともとに戻るわけではありません。一回カラーパーマをすると100あるキューティクルのうちの80しか戻らないといった感じに少し開いたものが残ります。
この繰り返しがダメージの蓄積となり上の図のダメージ毛になっていくんです。
さらにキューティクルが荒れていくと黙っていても隙間からマトリックスが流出しどんどんダメージが進行していきます。
これがアルカリによるダメージです。
ホームカラーなどで使うカラー剤はアルカリが強い薬剤が多く、匂い軽減のためなど不揮発性のアミノアルコール類を使っているものもあります。
アルカリ剤は髪に残ると1週間~10日ぐらい残るといわれています。アルカリが強いうえに髪にアルカリ剤が残る。怖いですね、、、。
薬剤を知らない美容師がただただ強い薬で毎回施術をすると結果髪はボロボロになっていきます。美容室で使っている薬剤がすべて安心というわけではなく使う側の人間がしっかりと薬剤コントロールしないといい状態にはならない!!ということです。
日々のドライヤー、アイロン、コテ、紫外線や乾燥でもキューティクルはダメージを受けます。
髪の毛は色んな刺激に弱く、一度ダメージした髪は完全には元に戻りません。
大事に扱ってあげたり、しっかりとした美容室を選ぶ事がきれいな髪になる秘訣ではないでしょうか。
アルカリ剤はカラー、パーマなどには必要なものです、ただ同時にダメージをうむものだということを少しでもわかっていただけたらと思います。